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2016年5月15日日曜日

白浜シンポジウム夜明け前(1)


白浜シンポジウムが始まったのは、臼井が日本電子計算()に勤務して、和歌山県警の県内統合システムの構築に携わっていたころの話だ。

その当時の臼井は、奈良市内に住んでいて、建設中のけいはんな学研都市の各施設に会社がワークステーションやネットワークシステムを納入していたのを支援していたが、自分のマンションの近くに奈良先端科学技術大学院大学という大学がオープンしたので、勤務しながら国内留学として通学できることになった。
<その頃の奈良先端大>

ある日、先端大学の鳥居教授や警察庁のご担当者とが相談する機会があって、その時、けいはんな学術研究都市の中核施設である『けいはんなプラザ』に「ハイテク犯罪情報センター」を設立することになった。事務所はけいはんなプラザの1部屋を借りてくれ、同じ勤務先の上司である植谷氏らとハイテク犯罪と呼ばれていた種類の事件ネタを集めたデータベースを作っていた。
<けいはんなプラザの研究棟(左)とホテル(右)の外観>

臼井が、会社が受注した和歌山県警の統合システムの構築に勤しんでいたある日の午後だった。統合システム開発業務の県警側管理者であ井原たかし氏から「もうすぐ統合システムが完成する予定なので、完成記念の説明会をやりたいと思うんだが。。。」との話があった。「白浜に県警の保養所はまゆうがあるので、そこで30人くらい集まって打ち上げパーティをやろうかな、と考えている。」とのこと。

もともと臼井は、海を眺めて温泉を楽しめる白浜が大好きで、老後はここに土地を買って別荘暮らしをしたいなと考えていたのだ。そこで、本当に土地の取得を目指して、白浜の分譲住宅地であるオレンジランドの1区画の購入手続きに入っていた。ところが、購入区画を決めて契約にとりかかった途端、不動産屋の営業マンから「大蔵省から、セカンドハウスなどへの融資を控えるように金融機関に通達があって、あなたのローンが組めなくなりました。」と聞かされた。ここで臼井の老後のリゾートプランが崩壊して大ショック。

<現在のオレンジランドの様子>
少しに土地を購入した同じNPOに勤めていたS君は、通達前に土地の購入が終わっておりギリギリセーフだったので、ルンルン気分で別荘の建築に取り組んでいた。別荘が完成した後、臼井を招待してくれた。その時の写真がコレ。
  






<S君の別荘を訪問>
こういう事情もあって、井原氏から「警察ではシンポジウムなんちゅうものは良くわからんので、取り敢えずあんたの思うプランを作ってくれ。」と言われたので、臼井のいろんな知人を動員して企画書を作った。
数日後、ようやく企画書が出来上がり、井原氏に渡した。井原氏は企画書をパラパラと見るなり「ちょっと待っとけ。」と言って、階段を駆け上がって当時の本部長に相談に行った(と後で聞いた)。
やがて、井原氏が階段を降りてきて「OKや」と言った。

「やった~」、臼井は一度は崩壊したリゾートプランが再び実現しそうでやたら嬉しくなった。

「まず、主催はどこにするつもりや?」と井原氏に尋ねられて、「え?和歌山県警やないんですか?」と答えた。「和歌山県警がリードするというと他の県警が来にくいんやないかなあ。」と井原氏。「いずれにせよ県警や県が主催すると行政としてのルールがあって、あんたのプランみたいな自由な活動が制約されるぞ。」ということだ。面白くないシンポジウムは困るので、「そんじゃ、情報処理学会関西支部はどうでしょうね。」「ガッコの先生が小難しい話をするようなイメージになるので、あまりおもろないな。」「じゃ、NPOは?。ボクが以前大阪支部の会長をやっていたISACAという組織があるんですが、ISACAの大阪支部なんかは今のところ何にもやってませんし、本部はアメリカですので国際的に発展も期待できますよ。FBIだって呼べるかも知れないし。。」井原氏は、「イサカ?その組織は信用できるんか?とにかく警察で早速調査してみるわ。」というような展開で、当面、主催はISACAということになった。

次に、会場をどこにするかだが、臼井が所属している技術士(情報処理部門)の研究発表会でたびたびお世話になっているホテルシーモアの坂井支配人に相談した。



<技術士の発表会の様子>
 
特に情報工学部門の技術士グループでは、毎年竹野内技術士を中心にホテルシーモアを利用してIT論文発表会を開催しており、坂井支配人は「いつものように会場をお借しすればいいんですね」と受け入れる気十分だった。
 
「あの~、いつもお借りしている会は10名+αだったんですが、今度のシンポジウムは100名+αの見込みなんですよ。大人数で会議できるホテルって白浜ではお宅以外にあまり無いですもんね。」「そんなに来られるんですか。ちょっと待ってくださいよ。」と言って、関係する担当の方を呼んで、一緒に検討会を開くことになった。
 
(臼井義美)

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